コスモス短歌 作品集 8


コスモス短歌 令和4年

 令和4年は美しい銀世界になり別世界にいるように静かにあけました。また今年も一歩一歩進みたいとおもいます。


元日を祝うがごとく銀世界清き世となれ平和であれと


忘れたい忘れたくない震災のあの日の出来事つたえたき事


厳寒にサッカー ラグビー 力の限りゴールめざしてコロナ蹴飛ばし


          1月20日


友よりの小さき春の便り受け優しさ嬉しボケのつぼみに


鬼は外鰯の頭とひいらぎで邪気払い除け春の神待つ


パチパチと白き煙たてヨシ焼きし新芽と共に待ちこがれし春


賀状にて今年こそとの再会を願いかなわず友急ぎ逝き


後で知り我誕生日の二日後に友は旅だち悲しさ増して


          2月

ちらほらとさざんか赤く陽射しうけ冷たき日々こえ三月迎え


亡くなりし少女の描いた夢の絵の黄色いハンカチ今も繋がり


青空に向かって祈る子らの手の鳩の風船大切な人へ


 今年はいつまでも冷たい日が続き、ここにきて一気に暖かくなり一度に開花がみられると。


梅 桜 白もくれんが開花せし楽しみに待つ花のパレード


 世界中の人々が平和を願い、二度と戦争は という思いの中、戦争が起きてしまい日々の映像に心痛みます。一日もはやく終わってほしいですね。


世界中反戦の声広がれど一方的な不条理押し付け


峰々にうっすらかかりし桜色の雲を見上げて静かな朝を


くもり空にひびきし君が代すみ渡り夢多き球児に送りしエール


久々にマスクの観客応援も吹奏楽とチャーガールも


写メールでキリッとスーツとネクタイで卒業式の孫に微笑む


6年と長き年月親子共過ごせし日々も今思い出され


 新聞の川柳に「 冗談の通じぬ人と長い旅 」を見て、うなづき我が夫の様子を …コロナやウクライナ侵略に。


常日頃 口数少なきつまなれど日々の出来事自論険しく


足元もおぼつかなりし杖をつきコロナの中を出かけゆくつま


ただいまと戻りし声におかえりとただ日常の自粛の中で


老い二人互いの思い突き詰めてどこか似かより可笑しくもあり


 なかなか終息しそうにない変異したウィルスと痛々しい戦火の現実。穏やかな気持ちを持ち続ける難しさも感じるこの頃です。


          3月

夢見草さくらの別名知りて今 散りゆく花を愛おしく思う


安曇野の清き水辺に白き花わさびの香りに春の味わい


友詠みし武器棄て歌をとこの思い届け空こえカチューシャの国へ


 友の俳句、武器棄ててカチューシャの歌さぁ謳え から共感しましたので。


激戦地がれきの中でもむらさきの花もけなげに祈りをささげ


 ある日の映像に、あの荒れた地面に小さい紫の花が咲き、亡くなった多くの命を悼むかのように感じました。その後、あの花はどうなったか?気になったまま!


きみどりの小さき新芽かおを出し日に日に眩しく命育み


雨あがり緑ます木々しっとりと静かに映える花みずきかな


          4月


さまざまな病抱えた人多くここに至りし我も仲間に


説明を聞きし臨んだ入院も体の変化に戸惑いし我


心地よく風うけあゆむ帰り道 緑まばゆくほぐれし我が身


そよ風と共に届きし友よりの我が身を案じ励ましくれて


          5月


深緑の木々の香りと連れ立って友との語らい楽しみに待つ


花便り華やかなりし紫陽花と 水辺に並ぶ花しょうぶもまた


なるほどとうなづき過ごせしとの日々手慣れたはずの家事も新たに


父の日を迎えし息子も父となり秘めたる思いは子にも孫にも


平和への祈り続けし沖縄の歴史も重く復帰五十年


          6月

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