コスモス短歌 作品集 11


コスモス短歌 令和6年

 令和6年 能登半島に地震が!
 一年の始まりに日常が奪われた人々、厳寒の日々、電気、水道の復旧作業も困難を極め、一歩一歩大変な作業を目にしました。
 全国からの応援も次々に。皆さんの思いも届きますように。


日本中年の始まりに震災で能登の人々の辛さ痛みし


バスに乗るテストを受けに行く子らに見送る人と虹もエールを

    ( 共通テスト )


被災地で家族が見送る丁度その時、虹が!優しく!


被災地へ届けたい思い共にあり阪神、東北、能登への思い


賀状見てお世話になりし友思い急ぎて逝きし喪中の友も


 以前、夫の転勤先で親しくなったお友達との日々を思い出したり、その中でもう会えなくなった友の事も思い出されて。


           1月


道沿いに迎えてくれるさざんかを花かごいっぱい届けたし能登へ


立春を迎えし陽射しにさざんかも春のお花へ笑顔でバトンを


寒紅梅めじろ突きし愛らしく冷たき中にも心和みし


梅 桜 追って菜の花はな便り待ち侘びし今春もそこまで


           2月


東北の震災あれから13年今も悩ます廃炉の行方


東北の人々の思い切なくて能登の復興共に願いし


春待つ日球児の躍動甲子園老いたる我も熱くエールを


姉いもうとやっと出会えし病室でわずかな命と共に桜を


穏やかな息づかいに安堵して春のひざしに見送られるごと


 姉の命が後わずかと知らせを受け駆けつけ、穏やかな様子にほっとしましたが、なかなか会えなかった事が心残りに


           3月

待ちに待ち桜見上げて小畑川日ざしも和らぎ水面ひかりて


しっとりと黄みどり映ゆる雨上がりはなみずき白く静かさまして


円安で異国の人々笑顔にて舌づつみうち夜のライトアップと


チュンチュンと雀戻りて賑わしくこの木がお宿か春の夕暮れ


           4月


コロナ経て中高生活過ごし日々再会うれし孫の成長も


孫なりに勉学スポーツ励みしが表情楽し苦楽も見えし


安堵する単身赴任の息子にも家族の支えの有り難さ知る


 息子が7年程の単身赴任で、その間、本人も家族もコロナ感染の時を経て今、やっと家族揃っての生活を迎えほっとしている様子でした。


夫の身を案じてくれる友きたり頷きあいし昔話しも


           5月


水田で活躍する日を待っているアイガモのひな田植えに一役


 アイガモ農法は水田にカモを放し虫や水草などを食べさせて駆除する有機農法ですが、カモのふんが肥料になり水をかき回すことで水中に光がとどかなくなり雑草が育ちにくくなるという事も新聞で知りました。


慰霊の日青年の思いひびき空あの日も青空79年こえ


足りなくば祈り続けしこれからも青年のうた世界へ届け


 沖縄は梅雨明けの青空のもと慰霊の日を迎えました。(6月23日)


友の句の紫陽花うるわしこの雨に思い浮かべし爽やかな時


歯の治療気になりながら友よりの様子を知りて歯磨き励み


           6月

駅ピアノ世界の街で曲ながれ平和を願い国境をこえ


梅雨明けの前から酷暑すごせしが我らも蝉に励まされながら


物価高買い物めぐりお買得厳しき現実量目へりし


 “ 春来てもわたしの財布冬のまま“という川柳を新聞で拝見し共感しました。


プチトマト今日のお味は一粒含み笑顔になりし花丸つけし


           7月


三日月の残りし空のうつりゆく淡き色合い見とれし夜明け


世界へと核廃絶を今年こそ今も苦しむ被爆国として


    (広島 長崎 原爆記念日)


甲子園汗にまみれし球児らも100年の歴史にまた一頁を


我ら住む小さな島国災害もいづこも常備を地震大国


便り書く忘れし漢字ひらがなでやさしさつなぐ人への思い


           8月


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