コスモス短歌 作品集 6


コスモス短歌 令和3年

 令和3年は冷たい年明けになりました。
 自粛が続き、歌声もまたお休みになり残念ですが、周りの自然から元気をもらいコロナも乗り越えていきたいと思います。


日差し受けさざんかの赤あざやかに 新たな年を共に祝いて


竹灯籠祈りし光に願い込め 亡き人忍び26年


冷え込みて布団の温もり有り難く 風の音にも子らを思いし


雨もまた自粛の中でゆっくりと静かな時を懐かしき曲と


おはようと挨拶待ちし朝の月うっすら白き消え入りそうに


 朝早く出かける時間に、ふわふわ雪が降ってきて、それを見て子どもにかえったように、冷たさを忘れ楽しく感じました。


ふわふわと雪の国から舞い落ちる 手でうけとめて共にダンスを

「早春賦」時にあらずと口ずさみ 詠まれしうたに思いを馳せし


世界から復興の励まし届きしが 記憶にとめたし10年の涙
    東日本大震災から10年


風受けて親子連れだち自転車で 春の陽射しにヘルメット光る


若者が未来のために声をあげ 気候変動世界に向けて


モーリシャス地元の人々手づくりのオイルフェンスを作り続けて


          3月18日


 若潮の坐礁から半年、さとうきびのワラをネットに詰めてオイルフェンスを作っている地元の人々の様子に心うたれました。


ひらひらとさくら舞い散る窓をみて うたごえ皆で華やぐひととき


うぐいすと芽吹きし若葉愛らしく はなみずき白く静かに映ゆる


          4月16日

雨あがり木々しっとりと緑まし 朝の匂いを静かにうけて


はやばやと梅雨に入りしこの5月 次お日さまにいつ会えるかな?


父が子にスマホの事を教わりし 耳の不自由忘れたかのごと


 福島の動植物の放射線量を見続けた研究者の記録を見て、地元の人々が切ない思いをいだきながらも前向きな姿に、私たちも福島のことや自然環境に感心を持ち続けたいと思いました。


里山の自然の営み見続けし 被爆の森に思いをよせし


福島の被害をうけし森林の次の世代に未来を託し


          5月20日


あちこちで明るくはずむ子らの声 夏思わせる梅雨中休み


刻々と日ぐれし空のうつりゆく虹をとかした幸せの色


誕生日孫へのメール久しぶり元気な返信成長嬉し


ワクチンの予約予約とあくせくし 五輪株にならないうちに


ワクチンを二回済ませし友は今 ひとつ山こえ宿題終えし


          6月17日

Copyright(c) 2019 Kosumosu Tanka All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com