コスモス短歌 作品集 5


コスモス短歌 令和2年

 秋風にコスモスの揺れる季節になり、コスモス短歌も一年を迎えることができました。
 今年は今まで思いもしなかった「マスクの世界」になり、あらゆることに制限がかかりましたが、気持ちの良いこの季節、心もすがすがしく過ごしたいですね。
 自然の恵みに元気をもらい、コロナ疲れも乗り越えましょう。


コスモスの揺れるそよ風嬉しくて 過ごせし今を語り合いたし

見上げてはちぎりし綿が浮かぶごと うっすら色づく朝焼けの雲


月を見て昔話や思出話 友と語らんやさしさうけて


金木犀かおり届きてふりむいて 今年も出合えた嬉しさまして


公園の木々もとまどい肌寒く 冬の支度に気が急く思い


 何年か前に秋のこの頃に引っ越しました時の事、家のベランダの柵に゛カマキリ゛がいて、私たちを迎えてくれました。この間、何年ぶりかで、ベランダで三角お目めの゛カマキリ゛に出合い、なつかしい、可愛い友に会ったような感じがして…。


絵本から抜け出たようなカマキリと 目と目があって可愛い挨拶


竿の上 手と足そろりとカマキリが スローモーション見ているように

三日月と明けの明星くっきりと 夜明けを待ちて冷たき空に


あらためて友と歌える幸せに 色づく木々と共に喜び


 気の抜けないマスクの日々、いつの間にか、こんなにさざんかの花が咲いているのに気がつき、嬉しく感じるこの頃です。


さざんかの咲き乱れる中友と今 ゆっくり歩みし日差しをうけて


日の入り前優しき光木々つつみ 暮れゆく今を惜しむかのごと


 今年は台風の被害がなく、好天が続いてお野菜が豊作になり、冬野菜の恵みを味わえて嬉しいですが、コロナ禍で外食の需要減もあり、作物の廃棄をしいられる農家もあるという記事を目にし、冬野菜を頂ける有り難さを複雑な気持ちで受けとめました。


台風の被害がなくて冬野菜 おうち鍋してほっこりと


おうち鍋外食減りてコロナ禍で廃棄にならぬ事を願いし


老いて今この日を迎え我が暮らし 母の苦労を思う年の瀬


誕生日友のメールで励まされ コロナ乗り越え佳き年願い


くる年はマスク外して笑い合い その日のくるのを思い描きし


 この一年、気の抜けない日々でしたが、一段と寒い日を迎えております。くる年は皆さんと笑顔でお会いできますよう、暖かくしてお過ごしください。

Copyright(c) 2019 Kosumosu Tanka All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com