コスモス短歌 作品集 7


コスモス短歌 令和3年

みくる世平和の世を願いし少女の澄んだ声沖縄の未来新しい命と


沖縄の空 風 土が覚えてる 歴史を胸に平和を願い


土石流危うし映像人を追い 津波の恐怖またよみがえ


          7月16日


広島は今年も記念日迎えしが 市民の総意届かず虚し


 被爆国日本が核兵器禁止条約締結へ批准がまだ進まず残念です。


長崎も広島に続き祈りたし 新たな被爆の被害失くしたし


甲子園雨とコロナに見舞われし くじけず前へとエールを送りし


雨あがり夜空見上げて月愛でし 子らにメールでやさしき時を


コロナ禍の不安も消えし姉妹会い 兄とのお別れ暑さ忘れて


          8月19日

蝉鳴きし汗も流るる日々のあと すすき梅雨にてひと心地つき


 天気予報で秋を迎えようとするこの時期の長雨を”すすき梅雨”と初めて知りました。
 淡い色のすすきが風にゆれているのを思い浮かべると、雨もまた心落ち着くいいものですね。


虫の音が聞こえし夜ふけた静けさに 半月やさしく明るく耀き


コロナ禍で病いの治療難しく 救える命悔いなきように


          9月19日


 皆さんに励まされ、コスモス短歌もまた秋を迎える事ができました。
 歌声でも楽しい時間を共有しているひまわり畑の皆さんとも俳句、短歌を通じて交わり学びあえるこの頃です。
 新しいお仲間がこのホームページに参加されるのを楽しみにしています。


草刈りの音ひびかせて香りたち夏に戻りし10月の午後


ノーベル賞身近に災害多き今気候変動物理学から


コスモスの色も形もさまざまにひとつひとつの表情うれし


花びらが青空見上げ愛らしく色とりどりのコスモスゆれる


十三夜、月、木、土星と並びしと友に教わり宇宙の不思議


ふじばかまに蝶のとまりし瞬間を友より写メールアサギマダラよ


バイク乗り淡路島まで旅をした孫の様子を語りし友は


          10月21日

日ざし受けなんきんはぜがキラキラと一足早いツリーのごとし


海底の火山うごめき海面に軽石となり船も動けず


海面を漂よう軽石悩みし後より良く水はけコーヒー苗床


気丈なる一人暮らしの母上を見守り友は今見送りぬ


母上を支え続けし友からの穏やかなりし100歳ももとせの最期と


          11月18日

晩秋の暮れゆく山の端淡い色残りし木の葉も愛おしき思い


冷たさもマスクでやわらぎ歩む道さざんか咲きし冬の訪れ


この一年マスクのままでの日々となり歌声友と励ましあえり


 この頃、年を重ねる毎に皆さんと元気に歌を歌える事がより貴重な時間に感じられます。
 今年もありがとうございました。


          12月16日

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