コスモス短歌 作品集 10


コスモス短歌 令和5年

 令和五年の元日は思いの他穏やかな陽射しで迎える事ができました。 今年も周りのお友達や家族と共に日々の出来事を乗り越えていきたいと思います。


元日の陽射しのように穏やかな人々の思い繋がるように


年明けて若き力をふりしぼり往路復路にシード権めざし


時が経ち知らない世代へ震災の記憶と教訓未来へ結ぶ

   ( 阪神淡路大震災 )


          1月


鬼は外静まりかえる冷たさに驚き見上げる月煌々と


降り積もりすべてを被いかくしたりしばしの休息心静まり


しだれ梅明るい陽射しに華やかに小さき花々ドレスを飾り


          2月

ひし餅は桃、雪、新芽の色合いとも母となり節句を祝う


震災後命を守る仕事へと家族を失いあの日の思いに

   ( 東日本大震災 )


シャトルバス隣の人と笑み交わし病も快方願いしこの春

   ( 駅から病院までのバス )


姿なく今年も聞こえしうぐいすの忘れず嬉し春を運びし


豆ご飯一粒一粒味わいて舞い散る桜もご馳走になり


憧れし野球少年見守る中「 憧れやめよう 」この日の侍


サッカーで “ブラボー“ 叫びし時流れ 今 “最高です“と侍ジャパン


甲子園力の限り大声で三年間の思いをプレーに


 高校野球のファンの私も、WBCにわいた何日か日本の選手の活躍に見入りました。 賑わいも落ち着いた頃、変わらずプレーしている高校球児に新鮮さを感じエールを送っていました。 未来の活躍に向けても。


          3月

コスモス短歌 令和5年

コロナ禍で孫のごとくに心配し新生活にエールを送り


 ( 隣人の若者が4月に向けて引越していきました )


小雨降るかすかにゆれる木々みどり朝の香りが頬なでゆきて


にわか雨チカチカチカと輝きて雨つぶお日さま戯れし時


 ( にわか雨が! まだ日ざしが残っている木々に雨つぶがあたり小さな小さな宝石を散りばめたように何と美しい、ほんのわずかな時でした。)


          4月


晴れし日も曇りし日にも目にしみて黄みどり、緑、心うばわれ


旅終えし友の話に思い馳せ幼き子らと過ごせし日々を


被爆して祈り続けし今もなお苦悩の日々を繰り返さぬよう


          5月


雨やみて峰にかかりし雲ちぎれ雨の香りもほのかに満ちて


両陛下記念日迎え笑顔にて愛子さまとの過ごせしこれまで


雨上がりワクチン終えし帰り道木々の香りが我をつつみて


友にあい病みし痛みを知りて今言葉に出せぬ辛さ乗りこえ


地上戦古き映像沖縄の記憶にとめたし過酷な日々を


( 今年も6月23日慰霊の日を迎えましたが沖縄への関心を持ち続けたいと思います。)


満月や雲の流れに見え隠れ蒸し暑き夜涼やかになり


          7月

コスモス短歌 令和5年

背高の樹々クレーン車で伐られしが見とれし中を蝉あわて飛ぶ


八月は広島、長崎、終戦と語り部つなぎし78年


泣き顔と嬉し涙で校歌きき炎暑の中での思い出つくりし


応援団一言マイク向けられて照れし笑顔で思いをエールに

   ( 高校野球 )


弧を描きシュート決まりし歓声が猛攻制し五輪に向けて

   ( バスケットボール )


台風が近づく夕暮れ淡い色虫の音やさし秋もそこまで


          9月


コスモス短歌
 コスモスの季節を迎えましたが、今年はコスモスもだいぶ開花がおくれたようです。
 コスモスを待っていました頃、新聞でコスモスを見る事ができました。


早咲きのキバナコスモス咲き乱れ訪ねてみたい秋風うけて
 “ レモンブライト“ 約400万本
 国営昭和記念公園 で。


澄み渡る青空見上げ心地よく耐えし暑さも遠い日となり


息吸ってはい息止めてらくにして腹部エコーもひと運動なり


部活終え自転車急ぐ子らの声暮れゆく中を我も家路へ


          11月


年重ね初めての病とまどいし医療のおかげで日々回復し


曇り空木の葉舞い散る冷たさも今年もさざんか励ましくれて


誕生日迎えしこの冬祈りたし出産控えた戦禍の人々


 平和を願い続けたこの一年も、長い歴史の中、報復を繰り返す日々での過酷な状況で年を越さざるを得ない人々の無事を祈り続けたいです。


 冷たくなってまいりました。皆さまも暖かくしてお過ごしください。


          12月

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