RICE処置は、内出血や腫れ、痛みを抑えるのに効果的
RICE(ライス)とは、応急処置の基本であるRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったものです。
打撲やネンザなど、スポーツでよく起こるケガの多くに対応できる応急処置です。処置が早ければ早いほどケガの回復は早くなるので、このRICE処置はとても有効な応急処置法といえます。
ただし、RICE処置はあくまで「応急処置」であり、「治療」ではありません。
頭・首・胸・腹などのケガによる出血、頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害、呼吸障害、シビレ、ケイレン、マヒにより首・手・足を自力で動かせない時や、またそのおそれのある場合は至急医師の診察を受けて下さい。
Rest(安静) 無理に動かさずそっとしておきます
できるだけらくな姿勢や肢位をとり、局所(ケガをした部位)だけではなく全身を
安静にさせましょう。
これは動いてしまうと、全身の血液循環がよくなって腫れが悪化してしまうから
です。
ケガをしたら、まず患部を動かさないように、体重がかからないようにすること
が大切です。
手近にテープや厚紙、板きれなどがあれば、それらで固定することも良いでしょ
う。
上肢では三角巾の代わりにタオルなどで固定しても良いでしょう。
Ice(冷却) 冷やすことで痛みを軽くし、内出血、炎症を抑えます
アイシングは受傷直後に素早く実施します。
患部やその回りを氷で冷やすと、痛みが軽くなり、内出血や炎症を抑えることが
できるからです。
1回の患部冷却時間の目安は20~40分間です。
冷却によって麻痺していた感覚が回復したら再び行います。
48時間は繰り返し冷却するようにしましょう。
なお、冷凍庫の保冷剤を直接当てると凍傷になる事が多く、冷やしすぎや凍傷
の危険性についてもご注意下さい。
Compression(圧迫) 患部を圧迫することで出血と腫れを防ぎます
弾性包帯やテーピングなどで患部を圧迫すると、内出血を抑制し、腫れを防ぐ
ことができます。
患部を適度に圧迫しながら巻くといいでしょう。
圧迫の注意点は過度に圧迫させないことです。
強すぎる圧迫は神経や太い血管にまで悪影響を及ぼします。
圧迫している間は、つねに圧迫している部位から先の手、足の指の色や感覚
をチェックしましょう。
Elevation(挙上) 患部を心臓より高くすることで内出血を防ぎます
できるだけ患部を自分の心臓より高い所に持ち上げます。
こうすることで内出血を防ぎ、痛みを緩和することができます。
足関節や膝関節の怪我であれば、座布団やタオルなどを下に入れるのが簡単
です。
イスや台、クッションや枕など、手頃な高さのものを探して、患部をのせておく
のもいいでしょう。
睡眠をとる場合にも、受傷した日は同様の処置をしましょう。